財務省と経済産業省は、官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)に対し、来年度に財政投融資資金から約1千億円を投入する調整に入った。JICは高額報酬をめぐる経産省との対立で経営陣が一斉退陣するなど迷走していたが、新たな経営陣が決まり、運営再開のめどがついたことなどを理由に財政措置を認める。

 2018年9月に旧産業革新機構を改組して発足したJICは、この年の年末に民間出身の取締役9人全員が辞任する事態となった。1億円超にものぼった高額報酬をめぐり、当時の社長ら経営陣と経産省の意見が食い違ったからだ。経産省は18年に、19年度の追加出資として約1600億円の拠出を財務省に求めていたが、運営をめぐる混乱から最終的に計上されなかった。

 経産省は、社長にみずほ証券出身の横尾敬介氏をあてるなど11月下旬までに取締役全員の人事を内定、12月10日に臨時株主総会で正式に決められる見通しが立った。このため、財務省も拠出に応じることとした。

 関係者によると、出資額につい…

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