「丸刈り強制で不登校」 熊本・済々黌高元生徒が県提訴

渡辺七海
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 熊本県済々黌(せいせいこう)高校の部活動で丸刈りを強制されたことなどが原因で不登校になり、転学することになったとして、元男子生徒が熊本県を相手取り、1円の損害賠償を求める訴訟を熊本地裁に起こした。2日に第1回口頭弁論があり、県は請求の棄却を求めた。

 訴状などによると、元生徒は2017年4月に同校に入学し、ソフトテニス部に入部。同月、部活の終了後に部室近くで3年生部員にバリカンで丸刈りにされた。さらに部活とは別に強制的に綱領を唱えさせられたり、校歌を歌わされたりしたこともあったという。元生徒は同年6月からうつ状態となり、不登校になって18年春に転学した。こうした行為を学校側が制止しておらず安全配慮義務違反があったと訴えている。

 県は取材に、事実関係を調査中と回答。綱領を唱えさせたり校歌を歌わせたりすることは通常の学校行事とした上で、「元男子生徒の進路変更との因果関係は薄い」との立場を主張、全面的に争う姿勢を示した。

 弁護人によると、丸刈りの際は身体的強制などはなかったが、断れない状況にあり心理的強制はあったとしている。同校は1879年創立の伝統校で「バンカラ」の校風でも知られる。(渡辺七海)

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