抗菌薬効かない大腸菌、世界で流行 WHOも対策求める

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阿部彰芳
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 治療でよく使われる抗菌薬(抗生物質)が効かない大腸菌が、世界規模で広がっている。院内感染で問題になる医療機関にとどまらず、家畜やペット、河川からも見つかり、健康な人のおなかにも居着き始めている。

 島根県出雲市の県立中央病院で2016年にある変化が起きた。重い尿路感染症で入院した子どもが急に増えた。

 11年からの5年間は42人だったが、16年からの3年間は128人になった。大腸菌などが何らかの理由で尿路に入って起きる炎症が、腎臓にまで及んだ子どもたちだ。小児科の堀江昭好医師(現在は松江赤十字病院)らが調べると、急増した3年間の原因菌の6割超は、薬剤耐性を持つ大腸菌だとわかった。通常、この病気の治療で最初に使う「セファロスポリン系」という抗菌薬が効きにくくなっていた。

 第一選択の薬を切り替えると、熱が下がるまでの期間が短くなったという。堀江さんは「尿路感染を起こしやすいタイプの大腸菌が耐性を獲得して、地域に広がっている」とみる。

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 細菌による感染症は、抗菌薬…

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