マーチング全国大会前に浸水被害、試練の中でもほほえみのリレー(奏でるコトバ、響くココロ)
帝京安積高校
スマイル
11月24日に大阪城ホールで開かれた第32回全日本マーチングコンテスト全国大会に、福島県の帝京安積高校吹奏楽部は2回目の出場を果たした。部員数は50人。ドラムメジャーも含めて81人まで出場できる大会では、かなり少ない人数での参加だ。
顧問の菊池元(42)がコアラに似ていることからチーム名は「KOALAS」で、部活のテーマは「smile-T(スマイル・帝京)」。普段の練習でも本番でも笑顔を大切にしよう、という意味が込められている。
本番を迎え、大阪城ホールの緑色のフロアでやや緊張の面持ちを見せる部員たちは、実は想像もできない過酷な経験をくぐり抜けてその場所に立っていたのだった。
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帝京安積は10月6日に秋田市であった全日本マーチングコンテスト東北大会で代表に選ばれ、全国大会出場が決まった。
その喜びから6日後、10月12日の土曜日。東日本に記録的な大雨をもたらした台風19号が福島県に迫っていた。吹奏楽部は練習を早めに切り上げ、部員たちは後日予定されていた校外の体育館での練習に備え、各自のマーチング用の楽器を自宅に持ち帰った。
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その夜、激しい風雨が帝京安…