シリアからの米軍撤退に反対して昨年末に辞任したマティス前米国防長官のスピーチライターが今年10月、マティス氏の長官時代を振り返った回顧本を出版した。「米国第一主義」を掲げて同盟国軽視の行動をとり続けるトランプ政権の内幕が赤裸々につづられている。「同盟国との信頼が壊れれば、再構築に数十年かかる。極めて危険だ」。筆者はそう警鐘を鳴らす。
執筆したのはマティス氏のチーフ・スピーチライターを務めたガイ・スノッドグラス氏。マティス氏の心情を最もよく知る人物の一人で、長官時代のマティス氏を側近として支え続けた当時の体験を著書「HOLDING THE LINE(立場を譲らない)」にまとめた。
著書には、政権内の会議でスノッドグラス氏が見たトランプ米大統領の言動が詳述されている。例えば、2017年7月20日にペンタゴン(国防総省)で初めて開かれたトランプ氏へのブリーフィングの様子だ。
著書によると、マティス氏が…