「核戦争の危機」が一転 最前線の国境が橋でつながった

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黒河=平井良和
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 米国との対立を軸足に関係を深める中国とロシア。中華人民共和国とソ連の国交樹立から70周年を迎えた今年、中国東北部とロシアのシベリア地方を隔て国境にもなっている黒竜江(アムール川)に、初めての道路橋が架けられた。

 かつては双方が沿岸に軍を配置して衝突も起き、核戦争の引き金となりかねないほど緊張した「最前線」。その周辺では今、両国の経済協力を深めようと次々と開発区の整備が進み、「蜜月」とも言われる両国の接近ぶりを象徴する場所に変わっている。

 北緯50度に位置する中国黒竜江省北部の黒河市。約20万人が住む市は川幅1キロほどの黒竜江を挟み、ロシア・アムール州の州都ブラゴベシチェンスクと向かい合う。

 川辺に立つと、赤い円錐(えんすい)形の屋根がついたロシア建築の建物などが立ち並ぶ対岸の街並みがよく見える。川沿いの公園では多くの人が向こう岸を眺めながら休憩したり、犬を水浴びさせたりして過ごしている。両国間の往来には夏は船が使われ、零下30度を下回ることも多い冬には、凍結した川の上をホーバークラフトが行き交う。

 そんなのどかな国境の往来を一変させるであろう巨大な橋が今年、架けられた。

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 市街地から約8キロ離れた農…

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