G20外相会合、土産は木製ボトルクーラー 匠の技PR
石塚大樹
G20外相会合で各国大臣にお土産として贈られたのは、木曽ヒノキのボトルクーラーだった。名古屋の神具製造の老舗が、一枚板を加工する伝統技術を用いて作った。軟らかな曲線が特長で、当地のものづくりの技を世界にPRした。
手がけたのは岩田三宝製作所(名古屋市熱田区)。江戸中期の創業で、お供え物を載せる神具「三方(さんぼう)」を熱田神社などに納めてきた。樹齢300年近いヒノキの一枚板に幅1ミリの溝を数本掘り、湯をしみこませて軟らかくしてから溝に沿って板を曲げる。代々受け継ぐこの高い技術で、ワインなどを立てて冷やすボトルクーラーを作った。
木は熱を伝えにくいためステンレス製と比べて結露が少なく、保冷性も高い。手触りはなめらかで木目も美しい。板を曲げる角度が少しでもずれると形がゆがむ。全て手作業で1カ月で30個程度しか作れない。
近年は神棚のない家が増えて…