バチカンを、広島を動かした1通の投書 高校生に招待状
加茂謙吾
23日から来日するローマ・カトリック教会のフランシスコ法王の広島訪問のため、修学旅行での広島平和記念資料館(原爆資料館、広島市中区)の見学が中止になりかけた高校生たちに、法王が催す「集い」への招待状が届いた。広島市はこの日限定で、資料館の夜間開館を決めた。教会と行政が動いたのは、新聞への投稿がきっかけだった。
私立盛岡誠桜(せいおう)高校(盛岡市)の附田政登(つくたまさと)校長(70)宛てに10月11日、一通の封書が届いた。差出人は東京のカトリック中央協議会。「ぜひ平和記念公園での集いに参列いただきたい」。法王が平和メッセージを語る集会への招待だった。
同校の2年生233人らは24~28日、修学旅行で広島、大阪、京都などを訪れる。1948年創立の同校にとって、広島訪問は40年近く続く伝統だという。生徒たちは資料館を訪れたり、記念公園にある「原爆の子の像」の前で、自分たちで考えた「平和宣言」を発表したりする予定だった。
「東日本大震災で被災した岩手の高校生にとって、大勢の命が失われた出来事に思いをはせるのは特に重要な行事です」と附田校長は言う。
だが9月下旬、ローマ法王の…