「先生と音楽ができる最後の年かも」、仲間の心はつながり、そして…(奏でるコトバ、響くココロ)
鹿児島市立武岡中学校
音楽は心と心を結ぶ虹
2019年10月19日。名古屋国際会議場センチュリーホールで行われた全日本吹奏楽コンクール中学校の部に、特別な思いで臨んだ学校がある。初出場の鹿児島市立武岡中学校だ。
顧問の内田貢は5月に60歳を迎えた。教員としては今年度をもって定年退職、再任用はあっても、武岡中に残れるとは限らない。
「もしかしたら、内田先生と一緒に音楽ができるのは今年が最後かもしれん。絶対、先生と一緒に全国大会へ行こう!」
部員たちは奮起して初めての九州代表の座をつかみ取ったのだ。
内田は2005年に当時の国分市立国分中で一度、全国大会に出場し、金賞を受賞したことがあった。このときも国分中に勤務した最後の年だった。
内田の指導法は「吹奏楽の神様」とも呼ばれた故屋比久勲に大いに影響を受けた。練習時間の半分以上はロングトーンを中心としたオーソドックスな基礎練習にあてる。
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「どこにも負けん音を作ろう…