260小節目、指揮は止まった 急逝した先輩に捧げた銀

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小松万希子
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 第67回全日本吹奏楽コンクール全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)の高校・後半の部に出場した東海支部代表の愛工大名電(愛知)。自由曲に選んだ「ブリュッセル・レクイエム」は、ベルギーで起きたテロ事件の犠牲者をしのぶ鎮魂の曲だ。愛工大名電の吹奏楽部にとっては、特別な思いの詰まった曲でもあった。

 8月、東海大会出場校を決める県の選考会の2日前、合奏練習で突然、伊藤宏樹顧問の指揮が止まった。こらえきれないという表情で伊藤顧問が部員に伝えたのは、2年前に吹奏楽部を卒業した先輩が脳腫瘍(しゅよう)で亡くなったという知らせだった。

 今の3年生が1年生のとき、指導してもらった。打楽器担当で、コンクールの全日本大会にも出場。明るくいつも笑顔で、部活の指導では言葉をはぐらかさず、真正面から向き合ってくれた。後輩によく話しかけ、打楽器担当でなくとも、みんなそれぞれに先輩との思い出があった。

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 6月、いつも通りの明るい様…

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