プログラミング大会、小2作「現実シリーズ2」最高賞

富田祥広
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 子どもたちがプログラミングのアイデアや技術を競う「第4回全国小中学生プログラミング大会」の最終審査会と表彰式が20日、東京都内で開かれた。全国から351作品の応募があり、1次・2次審査を通過した10作品の中から、東京都多摩市立南鶴牧小学校2年、小長井聡介君(8)の「現実シリーズ2 渋谷スクランブル交差点信号機」がグランプリに選ばれた。

 「現実~」は東京・渋谷のスクランブル交差点を再現した作品。「安全で渋滞のない交差点や信号をつくることにつながれば」との思いで、信号機の色の変化に合わせて横断歩道を渡る約600人の歩行者や、車が交差点を行き交う様子を細かく描写した。表彰式で「とてもうれしいです」と声を弾ませた。

 渋谷には実際に5回ほど足を運び、航空写真も参考にして街の風景をリアルに再現した。審査委員長を務めたアーティストの河口洋一郎・東大名誉教授は「現地調査など応募に対する丁寧な姿勢に対し、審査員一同、非常に共感を覚えた」と高く評価した。

 準グランプリは神奈川県の桐蔭学園小学部3年、安藤颯亮(そうすけ)君(9)の「会話おたすけ音声ロボット」が選ばれた。ケガや病気で話せない人や書くことが難しい人に便利な会話ツールで、パソコン画面のひらがなの表をクリックすると音声が出る仕組みだ。

 体の自由が奪われる難病と向き合った英国の物理学者、ホーキング博士をテレビで見て、「同じような状況で困っている人に便利なロボットを開発したいと思った」という。審査員からは「人の役に立ちたいと思う気持ちが本当に素晴らしく、ハードウェアやプログラムを使って形にできるのは素敵なこと」と評価された。

 大会は角川アスキー総合研究所とNPO法人CANVASでつくる実行委員会が主催し、朝日新聞社が共催。パソコンやスマートフォンで動くプログラム、アプリ、ゲームなどの作品が寄せられ、「発想力」「表現力」「技術力」を基準に審査された。

 会場では受賞作品が展示されたほか、プログラミングを体験できる無料イベントなども開催。2020年度から小学校で必修化されるプログラミング教育への注目が高まる中、親子連れらが体験を楽しんだ。

 他の受賞作品は次の通り。(敬称略)

 【優秀賞】

 ◇小学校低学年部門 滋賀県守山市立速野小2年 越智千晶「まほうのぼうしと黒猫アキラとピカつむり」

 ◇小学校高学年部門 埼玉県川口市立里小6年 澁谷知希(ともき)「Famik」

 ◇中学校部門 愛知県刈谷市立依佐美中2年 平野正太郎「Let’sえいごパズル!」

 【入選】

 ◇東京都・暁星小5年 森谷頼安(らいあん)「STAPLER」

 ◇東京都文京区立昭和小6年 井上将煌(まさき)「TILES」

 ◇津市立千里ケ丘小5年 白川瑛士「げきむずクレーンゲーム」

 ◇愛知県幸田町立北部中3年 荒島拓仁(たくと)「ぺんき屋さん/PAINT!」

 ◇沖縄アミークスインターナショナル小 Step To The Future(小川桃佳=6年、川添結衣=6年、小川りりか=4年)「未来のごみ箱~CANBO~」(富田祥広)

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