雪舟の三幅対の水墨画、国内で初確認 若い「拙宗」時代

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上林格
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 山水画で知られる室町時代水墨画家、雪舟(1420~1506?)が「拙宗(せっしゅう)」と名乗った若い時期の作品で、三幅の掛け軸が一組になった三幅対の水墨画「騎獅文殊(きしもんじゅ)・黄初平(こうしょへい)・張果老(ちょうかろう)図」が確認された。雪舟の三幅対として現在確認できる作品は、米ボストン美術館が所蔵する「三教蓮池図」だけ。

 昨秋、所蔵者(個人)の知人から連絡を受けた山口県立美術館山口市)が拙宗筆と確認した。

 同館の荏開津(えがいつ)通彦学芸員によると、雪舟が拙宗と名乗った時期は、京都から山口に移住した1454年ごろから明(中国)に渡った67年ごろと推測される。拙宗時代の作品は現在十数件が確認されており、作品に押された印の組み合わせで時期が3区分されている。今回確認された作品は、雪舟の僧としての名とされる等揚の印が単独で押された最も早い時期のものだった。

 三幅対は、室町時代に将軍家など上層武家を中心に広まった中国絵画の鑑賞法のひとつ。日本人画家がその形式の作品を制作することもあった。

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 三幅の中央に宗教性の強い主…

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