天皇陛下に継承された平和への祈り 批評家若松英輔さん

有料記事令和・即位

編集委員・北野隆一

 天皇陛下が即位して5カ月余。22日には即位の礼が行われる。令和の皇室はどうあるべきか。現状や課題について批評家・若松英輔さんに聞いた。

 全てを善かれと祈り続ける者でありたいと願っています――。上皇后美智子さまは皇后時代の文書回答にそう記しました。皇室の「祈り」とは何か。皇室に受け継がれている宮中祭祀(さいし)だけではなく、上皇ご夫妻が繰り返してきた戦没者慰霊や被災地の慰問も「祈り」です。

 現地に足を運ぶことは、被災者を励まし、何かを与えに行くだけではありません。この世にいない人の語られざる思いや、災害で家や家族をなくした人々の悲しみを、わが事として引き受ける。苦しむ人から学び、苦しみを受け取りに行く行為こそ尊いということを、上皇ご夫妻は体現されていたのだと思います。

ここから続き

 天皇陛下が取り組む「学問」…

この記事は有料記事です。残り539文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

上皇さま90歳 ご一家の写真で振り返る

上皇さま90歳 ご一家の写真で振り返る

2023年12月に90歳の卒寿を迎えた上皇さま。在位中、国民と同じ目線であり続ける「平成流」を大切にしました。年始の集合写真をもとに、ご一家の歩みと平成、令和を振り返ります。[もっと見る]