関電、金品受領問題審議せず ガバナンス不備認め謝罪へ

西尾邦明 野口陽
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 関西電力は、金品受領問題を受けた2日の記者会見で企業統治(ガバナンス)の不備を認め、謝罪する方針を固めた。同日午前の臨時取締役会で確認し、今後の対応なども議論する。

 関電は一連の問題について、社外の弁護士らを含むコンプライアンス(法令や社会規範の順守)やリスク管理、原子力保全など、社内のいずれの委員会でも審議していなかった。各委員会は金品を受け取った社長らが委員長を務める。昨年9月に社外の弁護士らで組織した委員会の調査結果が取締役会に報告されていなかったばかりか、コンプライアンスなど必要な社内委員会での手続きも踏んでいなかったことになる。

 さらに今年6月には、金品を受け取っていた森中郁雄常務が副社長になるなど、幹部3人が昇格。株主らは問題を知らされぬまま株主総会で承認していた。(西尾邦明)

経産相「企業人として判断を」

 関西電力の経営幹部など20人が、高浜原発がある福井県高浜町の元助役から金品計約3億2千万円分を受け取っていた問題で、菅原一秀経済産業相は1日の閣議後会見で、独立した第三者機関で事実関係を明らかにすべきだとの考えを改めて示した。幹部らの経営責任については、第三者機関による報告を踏まえた上で「当然企業人として、関電の方々が判断することだと思っている」と話した。(野口陽)

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