カミングアウト支援を ゲイのラグビー元ウェールズ主将

忠鉢信一
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 ラグビーの元ウェールズ代表主将で、2009年に現役プロラグビー選手として初めてゲイとカミングアウトしたギャレス・トーマスさん(45)が10月31日、東京都渋谷区のプライドハウス東京でトークショーに出演した。「スポーツ団体は選手のカミングアウトを支援する政策を打ち出すべきだ」と訴えた。

 トーマスさんは今年9月には、エイズウイルス(HIV)に感染していることを公表。翌日にはHIV感染患者への偏見をなくそうと、トライアスロンのアイアンマンレースで完走した。LGBT性的少数者)のための活動だけでなく、性、人種、宗教などが人々の可能性の限界にはならないことを訴えている。

 カミングアウトすればラグビーを続けられなくなるのではないかという恐れと、うそをつき続ける罪悪感に悩み、自殺を考えたこともあるという。「ラグビーは正直さということに価値があるスポーツ。ゲイという本当の自分を正直に打ち明ければ、受け入れてもらえると信じた」

 ラグビーW杯に合わせた約2週間の来日。街で手をつなぐ同性カップルを見かけなかったことが気がかりという。「私も日本では(ゲイという)本当の自分を出すのをためらった。来年は東京五輪。この素晴らしい国に多くの人々が訪れるのに、本当の自分でいられると感じられない人がいれば残念なこと。そういう意味でも来年は東京にとって重要ではないか」と語った。(忠鉢信一)

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