愛媛)ジャーナリスト長井さん射殺から12年 墓前に花

柳川迅
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 愛媛県今治市出身のジャーナリスト長井健司さん(当時50)がミャンマーで取材中に射殺された事件から12年を迎えた27日、妹の小川典子さん(59)が市内の墓に参った。長井さんが撃たれた際に持っていたビデオカメラの返却や事件の真相究明に進展はなく、小川さんは「ミャンマーに渡るなど直接行動を起こしたい」と話した。

 小川さんは、長井さんのビデオカメラをかたどったモニュメントなどがある墓に花を手向け、手を合わせた。この1年、日本の外務省からは担当者が代わったという連絡があったのみで、新たな情報はなかったという。「十三回忌の年だが、1年あっという間に過ぎた。日本政府としても数年前と比べて意識が薄れていっているように感じる」と話した。

 これまでミャンマーを訪れたことはなかったが、「早いうちに一度渡航し、向こうの担当の方と話をしたい」と語り、ミャンマー政府側に直接働きかけたい考えを述べた。また、事件現場を訪れたい意向も示し、「一度行って花を手向けたい」と話した。

 長井さんは2007年9月27日、ミャンマーの最大都市ヤンゴンで、当時の軍事政権に対するデモを取材中に銃撃され、亡くなった。ミャンマーでは16年に、民主化運動の指導者アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟NLD)が政権交代を果たしたが、遺品の返還や事件の真相究明へ向けた動きは進んでいない。(柳川迅)

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