がん死亡率は「通知表」 独自の目標、都道府県の大半で

有料記事がんとともに

松浦祐子 月舘彩子 大岩ゆり
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 がんで亡くなる人を減らそうと、地域の特性に応じて都道府県が作る「がん対策推進計画」。国が設けなかった、受動喫煙率や死亡率の数値目標について、大半の都道府県が独自に設定していました。各地の工夫や取り組みを紹介します。

 秋田市フランス料理店「サンビーム」は、約20年前から全面禁煙とする。シェフの阿部稔さん(73)は、講演会でたばこによる健康被害についても学び、「妊婦さんや子どもたちに煙を吸わせてはいけない」と話す。

 以前は、禁煙を伝えると予約が取り消されることもあり、客は一時、減った。だが次第に「味に加え、香りも楽しめる」と遠方からの客も増えてきたという。

 秋田県は「健康寿命日本一」を目指し、禁煙や受動喫煙対策を積極的に進める。2016年6月からは敷地内禁煙、建物内禁煙の事業所を「受動喫煙防止宣言施設」として登録し、県が公表する。サンビームもその一つだ。

 同じく宣言施設の「酒庵(あん) 田なか」の店主田中康弘さん(51)は、自身や従業員の健康も考え、禁煙にした。喫煙する客がいれば、店で働く人は受動喫煙を避けられない。「健康で働き続けたい」という。

 他の人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙にあう人の割合は飲食店が最も多く、17年の厚生労働省の調査で42%。遊技場(37%)、路上(32%)、職場(30%)と続く。このため飲食店での対策が急務とされる。

 朝日新聞の調べでは、国のが…

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