磯崎新氏設計、台風で屋根めくれる 山口市のYCAM

滝沢貴大
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 台風17号による強風で、山口市の山口情報芸術センター(YCAM)では22日午後9時ごろ、金属製の屋根がめくれ上がり、中にあった断熱材が周囲に飛散した。YCAMは波形の屋根が特徴で、「建築のノーベル賞」とも言われるプリツカー賞を受賞した建築家の磯崎新さんが設計した。

 YCAMは安全点検のため、23日は臨時休館した。防水シートで応急処置を施し、次の開館日の25日は通常通り開くという。

 市によると、めくれ上がった面積は約150平方メートル(長さ15メートル、幅10メートル)。断熱材は周囲の道路やYCAM前の公園に飛散したが、けが人はなかった。下関地方気象台によると、山口市では当時、最大瞬間風速28・9メートルを観測した。

 YCAMは2003年に開館。04年にも台風で屋根ふき材約2500平方メートルがはがれ落ち、断熱材が飛散した。防止策として、ふき材を固定する金具の数を増やす対応を取っていた。

 施設内には映像作品を展示するスタジオや映画館、市立図書館などがある。特に、巨大な吹き抜けになっているフリースペース「ホワイエ」は左右の中庭から自然光を取り込み、開放感を演出している。(滝沢貴大)

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