昔は弱小だったホークス 移転30周年、当時のファンは

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伊藤雅哉
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 プロ野球のレギュラーシーズンで2位ソフトバンクは3位楽天を本拠に迎え、区切りの年に日本一をめざす。1989年に本拠を九州に移転してから今年で30周年。弱小チームだった時代を知る人たちに「常勝軍団」はどう映るのか――。

 王貞治会長(79)は今季終盤、本拠ヤフオクドームのスタンドを見渡して言った。「ファン層が広がったよね。監督で来た時(95年)はまだ男の世界だった。女性も子供も、いろいろな楽しみ方ができるようになった」

 ホークスが福岡に来る3年前、球団誘致の活動を始めたのが福岡青年会議所のメンバーだ。その一人、小田展生(のぶお)さん(71)らは子供の頃に西鉄(現西武)の黄金期を知る世代。「野武士軍団」として56年から3年連続で日本一に輝き、当時の福岡は「西鉄の街」だった。小田さんは言う。「西鉄時代はいい時は満員、ダメになるとガラガラ。それでライオンズは所沢に去ってしまった。その反省を踏まえ、どんな時でも市民が支えるチームにしようと。『親子で見たい新球団』というテーマをつくった」

 署名活動で市民に呼びかけ、政財界にも協力を求めた。川崎市に本拠のあったロッテとも接触し、移転の可能性を探った。88年、ダイエーが南海ホークスを買収し、移転が決まった。

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 西鉄の名残から、ライオンズ…

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