東電「状況把握できず見通し甘く」 停電復旧遅れる理由

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寺沢知海 金山隆之介 桜井林太郎 金成隆一 西尾邦明
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 台風15号による大規模停電は、いつ全面復旧するのか。東京電力の見通しは後ろ倒しになり、被災地からは当初の見通しと実態との差に批判も出ている。広範囲にわたる電線や電柱の損壊に加え、倒木が復旧作業を妨げている面があるが、老朽設備が被害を拡大させた可能性を指摘する声も上がっている。

 「いつまでもこんな生活はできない」。被害が深刻な房総半島南部、千葉県南房総市の会社員石井美紅さん(21)は12日、めい2人と市内の入浴施設を訪れ、そう訴えた。

 自宅は停電でお湯が出ず、冷水で体や髪を洗う。エアコンも使えず、夜はめいたちを冷房が入った自家用車内で寝かすが、それでも体中にあせもができた。石井さんは「明日からは電気が使えるようになってほしい」と話した。

 東京電力パワーグリッドによると、千葉県内では12日午後10時すぎの時点で約26万戸で停電が続き、全面復旧は13日以降としている。同社は10日の段階で、11日中に全面復旧させる見通しを示していたがその後、先延ばしを発表。同社の塩川和幸技監は12日の会見で「設備の損害状況が把握できなかった」と釈明。「台風通過後、どれくらい被害が出るかという見通しも甘かった」と話した。

 一方、森田健作千葉県知事

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