ソロの重圧も裏方の気持ちも、すべての思いを束ね「全国」へ(奏でるコトバ、響くココロ)
北斗市立上磯中学校(下)
気迫の音楽
2018年まで4年連続で全日本吹奏楽コンクール全国大会で金賞を受賞している北斗市立上磯中学校吹奏楽部。高校生以上でも苦労する難曲を暗譜で演奏して注目を集める。現在の顧問、中條淳也(46)が赴任した2013年に、全国大会初出場で金賞を受賞した。その年に部のモットーとして掲げられたコトバが「気迫の音楽を」だった。
「演奏技術も、心身の成長もまだまだの中学生たちができることといったら、本気で気迫を込めた音楽を発信することだ」
中條はこう考え、現在までずっと「気迫の音楽を」を掲げ続けている。
2019年度の副部長でユーフォニアム担当の小川あいね(3年)は、「気迫の音楽」を自分自身のテーマにしている。日ごろからすべての行動がゆっくりで、自転車で通学するときに他の生徒たちにどんどん追い抜かされるおっとりタイプのあいねだが、その胸の中には音楽への熱い思いを秘めている。
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あいねがユーフォニアムに出会ったのは小学5年ときだ。金管バンドに入って担当楽器を決めるとき、「ユーフォにしたら?」と先生に勧められた。ユーフォニアムの存在も、名前も知らなかったあいねは「UFO? 何言ってるんだろ?」と思った。
ユーフォニアムの希望者は少…
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