恋愛はすべて「幻想」 ミクと結婚、古代に戻る私たち

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聞き手・岩田智博
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 AI(人工知能)やVR(仮想現実)などの技術の進展は、恋愛の形にも影響を与えそうです。音声合成ソフトのキャラクター「初音ミク」と結婚式を挙げる人が現れるなど、人間を対象とした恋愛ではなく「デジタル」と直接、関係を築く動きが顕在化しています。さらに技術が発達すると、AIとVRなどを組み合わせたエージェント(代理となる機械)を恋愛対象とする=デジセクシュアル=が市民権を得るとの指摘もあります。恋愛はどう変わるのでしょうか。『人工知能に哲学を教えたら』の著書があり、先端技術と人間の関係に詳しい玉川大学の岡本裕一朗名誉教授(哲学)に聞きました。

 ――デジタルとの恋愛が一般化するとの話は、どう思いますか。

 「基本的には、そうなるでしょう。若い世代に『ロボットと生身の人間、どちらと付き合う?』と聞けば、通常は『人間』と答える。ただ、『アイドルのエージェントと好みじゃない人間のどちらと付き合いたい?』と質問を変えると、おそらくアイドルのエージェントを選ぶ人は多くなるはずです。社会学者の古市憲寿さんは生身の人間とのキスを『唾液(だえき)の交換』とテレビで話し、話題になりました。こうした意識の人が増えると状況はさらに変わる」

  ――なぜ人間はデジタルとも付き合えるのでしょうか。

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 「人間は動物とは違い、視覚…

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