長いタイトルの本や映画が増えている理由を調べてみた

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山根由起子
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 長いタイトルの本やドラマが続々と登場している。コンビニやスーパーでも、素材や食感まで説明した、ながーい商品名が目に付く。17文字の俳句という言葉をそぎ落とす文化を育んできたニッポンで何が起きているのだろう。

 長すぎる本のタイトルがネットで話題を呼んだ。5月に柏書房から刊行された作家の山下泰平(たいへい)さん(41)の『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』だ。山下さんの初の著書だ。

 もとは山下さんのブログ。書籍とほぼ同様の長い題がツイッターで広まり、柏書房の編集者の竹田純さん(31)が書籍化を依頼した。

 当初の本のタイトル案は『明治大正の娯楽小説 忘れられた黄金時代』だったが、書店の反応が鈍く、刊行前に長いタイトルに。「『舞姫』、『ボコボコ』といった面白い文字列がネットで話題になるのではないかと狙った」と竹田さん。「まいボコ」という略称も作った。ツイッターで本の表紙や、全文タイトルを打ち込んだレシートの写真がアップされ、「むちゃくちゃそそるタイトル」「タイトルのクセがすごい」などと話題になった。発行部数は3刷9千部。初の著書で、文学史の分野ではヒットという。

 翻訳書でも長い題が登場。光…

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