まさに表現の不自由…「暴力で封殺するな」現地で抗議も

有料記事トリエンナーレを考える

江向彩也夏 黄澈
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 愛知県で開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(津田大介芸術監督)の実行委員会が企画展「表現の不自由展・その後」を中止したことを受け、企画展会場となっていた愛知芸術文化センター(名古屋市東区)前などでは4日、中止に反対する抗議活動が相次いだ。

 企画展は1日に始まり、慰安婦を表現した少女像や、昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品など各地の美術展で撤去されるなどした二十数点を展示していた。芸術祭の実行委会長を務める大村秀章愛知県知事は3日、テロ予告や脅迫も含め、抗議の電話やファクスが相次いだため、中止すると発表した。

 企画展の展示室は可動壁で閉ざされた。4日午前10時の開館直後から壁を撮影する来場者がおり、「まさに表現の不自由だな」とつぶやく人もいた。午前11時すぎには、愛知県江南市の会社員の男性(38)が展示室近くで「#表現の不自由展の再開を求めます」などと書かれた紙を掲げた。

 午後2時からは会場の玄関付近で抗議集会が始まった。ネットでの呼びかけもあり、全国各地から集まった約30人が「見たかったのに!! 暴力で『表現の自由』を封殺するな!!」との横断幕を掲げ、「表現の自由を守ろう」と声をあげた。

 午後5時には、名古屋・栄に約200人が集まり、少女像などの展示中止を求めた河村たかし名古屋市長への抗議集会を開催。民主政治の実現を訴え、街頭活動を続けてきた市民団体「Antifa758(アンティファナゴヤ)」がツイッターで呼びかけた。

 中心メンバーの林晃佑さん(34)=名古屋市=はマイクを握り、「最も批判されるべきは企画展に脅迫めいた抗議を続けた人々だ。河村市長ら政治家の行動が、抗議をあおる要因になった」と訴えた。河村市長はこの間、芸術祭の実行委事務局への抗議電話などについて「表現の自由であり、国民の皆さんは思ったことを堂々と言えばいい」などと持論を語ってきた。

 集会では、企画展を見た市民…

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