「釜山市民の真の友情伝えに来た」今年も共に通信使行列
韓国との国境に近い島、長崎県対馬市で4日、江戸時代に往来した外交使節「朝鮮通信使」を再現した市民らの行列があった。毎夏の「対馬厳原港まつり」の恒例行事。日韓関係の悪化で、釜山市の職員や国会議員らが来島を取りやめたが、行列には韓国側の約50人と日本側の約250人が参加し、交流の重要性と継続を確認し合った。
一行は約1・5キロを練り歩き、通信使を出迎えた旧対馬藩主、宗(そう)家の菩提(ぼだい)寺「万松院」に到着。「国書」に模し、それぞれに「誠信交隣」という言葉を盛り込んだ友好のメッセージを交換した。対馬藩の儒者雨森(あめのもり)芳洲(ほうしゅう)が説いた「互いに欺かず争わず、真実をもって交わる」という思想だ。
対馬藩主に扮した陸上自衛隊対馬駐屯地の山口勝司令が「今後も『平和の遺産』である朝鮮通信使の『誠信交隣』の精神を世界に広げていきましょう」と読み上げると、通信使の正使役の南松祐(ナムソンウ)・釜慶(プギョン)大名誉教授が「皆さまに釜山市民の真の友情をお伝えするよう、うかがいました。民間の文化交流をさらに活性化し、日韓の葛藤解決の糸口を作ることが大事」と応じた。
まつりの朝鮮通信使行列は1980年に始まり、各地の日韓交流イベントへと広がった。今年のまつりは、通信使の復元船の来航が直前に中止になるなど、日韓関係悪化の影響が出ていた。
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