「必死の抵抗」は女性の義務か 法律に潜む性差別の意識

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 日本では、同意のない性交だけでは罰せられない。暴行・脅迫を用いたら強制性交等罪(旧強姦(ごうかん)罪)、心神喪失・抗拒不能に乗じた場合は準強制性交等罪が成立する。

 弁護士の斉藤豊治・甲南大名誉教授(76)は事実上、必死の抵抗義務を課せられている、と指摘する。戦後廃止された姦通罪は、妻が夫以外と性交した場合に処罰された。一方、夫が妻以外と関係を持ち、妊娠・出産にいたっても不可罰だった。強姦罪と姦通罪は刑法第22章に規定されていた。

 「二つはセット。夫以外の子を産むことに厳しいため、女性に必死の抵抗を示すことが求められた。押し切られた場合でしか罪が成立しない。女性は子どもを産む道具という家父長制、男子世襲制度の意識が前提になっている」

 2006年、斉藤教授がそんな論文をまとめると、研究者仲間から「茶飲み話」とあしらわれた。

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 斉藤名誉教授は上下関係を利…

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