イカ天菓子、瀬戸内れもん味が大ヒット 女性の支持獲得
まるか食品(広島県尾道市)は、ついつい手がとまらないスナック菓子「イカ天 瀬戸内れもん味」をつくる。累計出荷が1500万袋を超す大ヒット商品の始まりは、期間限定商品の発売。経営環境が厳しくなるなかで、川原一展社長(50)が採った商品開発戦略が、ヒットを生み出す原動力になっていった。
油でサクサクに揚がった、ひと口サイズのイカ天に瀬戸内産のレモンパウダー(粉末)がまぶされ、次々と袋詰めされていく。飲料や菓子など、ブームが続く「瀬戸内レモン」商品の火付け役的存在で、月に30万~40万袋出荷される。
川原社長は「継続商品にしてほしいという話があり、お客様の声を全面的に採り入れてつくった商品。答えはお客様が持っているという方針は正解だった」と振り返る。
20代後半の女性をターゲットとし、イカ天のサイズを小ぶりに改良し、袋のデザインも刷新。口コミなども手伝い人気が広がっていった。
創業は1961年。機械で薄くのばしたスルメを油で揚げるイカフライなどのおつまみを、スーパーなどの量販店向けに納め成長してきた。
ただ、社長となった06年当時。拡大するコンビニ向け商品の対応に遅れ、業績に陰りが出始めていた。採ったのが、積極的な商品投入戦略だ。
川原社長は「旬をとらえたような商品を次々と出して、ヒントを得て次につなげないとロングセラーのようなものは生まれない」と考えたという。
そうしたなかで生まれてきたのが「瀬戸内れもん味」のヒットで、会社は再び成長軌道に乗ってきた。
川原社長は言う。「ヒットを確実に打てるチーム力をつけ、世の中をちょっとびっくりさせるようなおいしくて、楽しい商品をつくっていきたい」
■メッセージ性や付加価値で勝…
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