福島)飯舘村に「復興牧場」 約200頭の乳牛育成

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深津弘
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 原発事故で中止に追い込まれた飯舘村の酪農が7月、8年ぶりに再開した。同村などから避難した酪農家5人が福島市で運営する復興牧場「フェリスラテ」が、震災後空いていた村の牛舎を借り、乳牛を200頭規模で育成する。村の基幹産業だった畜産は、すでに肉用の和牛飼育が再開されており、畜産の村復活への動きが一歩ずつ進む。

 フェリスラテは、飯舘村や浪江町、南相馬市から避難した酪農家5人が2014年に設立した株式会社。福島市の郊外に整備した牧場で約570頭の乳牛を飼育し、東北有数の規模の年間5千トンの生乳を出荷している。従業員は23人で後継者育成の役割も担う。福島の酪農再生を目的に立ち上がったため「復興牧場」の名称で呼ばれる。

 牧場のスペースなどの都合で、これまでは生まれた子牛を北海道の牧場に預けて成牛になるまで育ててもらってきたが、コスト高騰が課題になっていた。自社で育成できる牛舎を探したところ、震災前に飯舘村特産の和牛「飯舘牛」の肥育拠点で、いまも利用のメドが立っていない村振興公社の牛舎が空いており、借りることができた。

 ここで生後約8カ月の子牛を…

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