憲法論議「イエスかノーか」 首相の矛盾と危うい手法
編集委員・国分高史
今回の選挙戦で憲法を語る時、安倍晋三首相はいら立ちを隠そうとしない。
3年前の参院選で3分の2の「改憲勢力」を両院で確保したのに、改憲への議論がほとんど進まなかったからだ。与党が「1強」を占める数の力をもってしても、衆参両院の憲法審査会だけは、首相の意のままには動かせなかった。
「憲法について議論をする政党を選ぶのか、しない政党を選ぶのか。それを決める選挙だ」。これまでの国政選ではなかった首相の言葉には、参院選で勝てば「国民は議論をする政党を選んだ」として、今度こそ野党を押し切ってでも憲法審での議論を進める強い意志があるのは明らかだ。
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