色丹島、進むロシア化 記者が見た「2島返還」の現実

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松山尚幹
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 北方領土の色丹島に6月上旬、ビザなし交流の訪問団の一員として記者が入った。択捉、国後に比べて開発が遅れてきた色丹島でも「ロシア化」が着々と進む。島には親日的な住民がいる一方、ロシアの領土だという強い意識もあちこちで感じられた。

「返還されても、日本人とここで暮らしたい」

 安倍晋三首相がロシアとの交渉で、色丹と歯舞の「事実上2島」返還にかじを切って以降、朝日新聞記者が色丹島に入るのは初めて。ビザなし交流では今年5月、当時日本維新の会所属の丸山穂高衆院議員(現在は無所属)の不適切な言動があったばかりだが、現地との交流はこれまでと同じように行われた。

 今回は、島に住むロシア人と共同でコスプレ・イベントなどの交流会も開いた。1994年に島を襲った北海道東方沖地震の際は日本からの支援もあり、島には親日的な人が多い。日本語を多少話せる住民とも何人か出会った。

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