ウーバーイーツ配達員が労組の結成準備 その背景は

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村井七緒子
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 米配車大手ウーバー・テクノロジーズが日本で展開する飲食宅配代行サービス「ウーバーイーツ」の配達員らが、労働組合の結成を目指している。

 自転車や原付きバイクなどで配達する配達員は、ウーバーの従業員ではなく、「個人事業主」という立場でウーバーと契約しており、労災や雇用保険の対象にならない。配達員からは、配達中の事故時のウーバーの対応が遅れがちなことや、報酬体系の不透明さを指摘する声が上がり、労組結成の準備につながった。支援する川上資人弁護士は「企業への従属性が高いにもかかわらず労災の対象にならないことが最大の問題。欧米では(ネットなどを使った様々なサービスの基盤である)プラットフォームを介して働く人を保護する動きが起きており、日本は遅れている」という。

 都内で12日に開かれた労組の設立準備会には約20人の配達員が集まり、弁護士らに様々な疑問をぶつけた。「個人事業主」の配達員は本当に労組をつくれるのか。労組をつくることで何が可能になるのか。準備会で出た配達員の質問と川上弁護士らの答えから、労組設立を巡る論点をまとめた。

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本当に労働組合をつくれるの?

 Q:そもそも個人事業主が労働組合を結成できるのですか。

 A:できます。例えばプロ野球選手は個人事業主ですが、日本プロ野球選手会は正式な労働組合として認められています。他にも個人事業主の労働組合は全国にたくさんあります。

 Q:組合としてストライキなどでウーバーに対抗することが実際にできるのですか。

 A:ストライキをしたときの…

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