無人島の甘夏、移住者が復活 収益は地区へ「恩返しに」

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大矢雅弘
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 熊本県天草市八代海に浮かぶ無人島・産島(うぶしま)で自然に育った甘夏が、無農薬有機栽培にこだわる消費者らの間で静かな人気を呼んでいる。天草への移住者が、長年手つかずとなっていた果樹からの収穫を復活させた。

 2年前に埼玉県所沢市から天草市に移住した山根圭一さん(42)とゆみさん(36)夫妻が、産島を訪れたのがきっかけになった。圭一さんは同市五和町のかんきつ農家の後継者となるべく、いま新規就農の研修中。ゆみさんは市の地域おこし協力隊員として、産業政策課で天草産品の販路拡大などに取り組んでいる。

 ゆみさんが昨年4月、職場の同僚の嶋崎健介さん(32)に教わり、夫妻で産島のキャンプ場を訪れたときだった。たくさん甘夏が実っていて、食べてみると、「すごくジューシーで、めちゃくちゃおいしかった」。

 約60年前から無人島となっていた産島。対岸の同市河浦町宮野河内の上平地区の農家が船で渡り、甘夏の栽培や収穫を続けていたが、人口減少と高齢化で、約15年前からは手つかずの状態になっていた。

 昨年7月に夫妻が再び、嶋崎…

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