亡き娘の傷の深さ知り、始めた介護職 両親へ「恩返し」

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柳谷政人
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 大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)で児童8人が殺害された事件は8日で発生から18年。長女の花菜(かな)さん(当時7)を亡くした塚本有紀さん(52)=兵庫県宝塚市=は昨夏から、両親の介護と向き合う。日々接する中で気づいたのは、2人が抱える悲しみの大きさだった。

 5月下旬、塚本さんは近くに住む父(86)を車に乗せ、そば屋に行った。「花菜ちゃんと一緒に食べたんや」。そう言って父は笑顔でそばをすすった。

 父は車いす生活が長い母(80)と2人暮らし。車を自ら運転し、母の介護をしていた。昨年、実家の様子を見に行った妹が「車がいつの間にか、こすっていたりへこんでいたりして、気になるねん」。社会問題になっている高齢運転による事故が頭をよぎった。

 車の運転をやめるよう言ったが、駅から距離があって坂道も多く、車がないと生活が難しい。それなら私が面倒を見よう――。昨年8月、フルタイムだった老人ホームの仕事から転職。空いた時間で両親の介護を始めた。

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 毎日実家に通い、すぐに気づ…

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