がん乗り越えた阪神・原口、1軍合流 交流戦で復帰へ

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辻隆徳
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 プロ野球阪神の原口文仁(ふみひと)捕手(27)が3日、1軍に合流した。今年1月に大腸がんの手術を受けて、リハビリや2軍での練習を重ねてきた。セ・パ交流戦が始まる4日にも1軍登録される見通しだ。

 3日、千葉市内の宿舎で原口選手は「かなり緊張感や楽しみ、わくわくがあります」と語った。1月下旬に自身のツイッターで病気を公表し手術。その後、3月7日にチームに合流して体を慣らしつつ、4月16日には屋外でフリーバッティングを開始。家族の支え、そして、多くのファンからの手紙や千羽鶴に励まされ、5月8日に2軍戦で実戦復帰を果たしていた。

 チームメートも復活を待っていた。2軍合流の際、同期入団の秋山拓巳投手から1枚のTシャツを渡された。そこには原口選手と秋山投手に加え、梅野隆太郎捕手、岩貞祐太投手、陽川尚将(なおまさ)内野手、岩崎優投手の似顔絵が描かれていた。6人は1991年度生まれ。原口選手は「うれしかった。自分たちの代を大切にしてくれているなって。刺激し合える存在です」。

 プレゼントの発案者という秋山投手とは、共に苦しい時期を乗り越えてきた。

 同学年でともに2009年秋のドラフトで入団。秋山投手は1年目に4勝を挙げたが、翌年から6年間はわずか2勝。昨秋に右ひざを手術した。原口選手も故障で13年シーズンから育成選手となり、1軍出場は16年からだ。

 「思い通りにいかない日々だった」と原口選手。「お互い、けがや病気があって感じるものがある。高卒の2人で頑張れているのはすごくうれしいこと。10年先もその先も2人でチームに貢献したい」。5月、秋山投手に原口選手の復帰について聞くと、「あせらずゆっくりでいいと思います」。短い言葉の中にも、思いやりを感じさせる答えだった。

 仲間の支えを胸に、野球に打ち込めるときがきた。「しっかり1軍で活躍して、たくさんの人に頑張っているぞということを伝えたい。気持ちを強くもって戦っていきたい」

■フミにしかできへん…

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