死亡の外務省職員、ミャンマー友好に情熱 閣僚通訳も

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 川崎市多摩区で小学生の児童ら19人が刺された事件で、小学6年の女児(11)とともに亡くなった男性は、外務省職員の小山智史さん(39)だった。

 外務省によると、小山さんは大学時代にミャンマー語を学び、2004年に専門職として外務省に入省した。入省後2年の語学研修後、ミャンマーの日本大使館に3年勤めた。外相など閣僚級以上の通訳を担う「通訳担当官」で、現在は、国内外の報道機関への情報発信や、文化の国際交流の企画などを担う広報文化外交戦略課に所属していた。

 小山さんと親交があった外務省職員はニュースで名前を聞き、「まさか」と思った。報じられた住所の近くには、外務省の職員用の官舎があるからだ。本人と知り、言葉を失った。「(小山さんは)1年後輩だった。一緒にミャンマーでの国際会議に出張したこともある。信じられない」

 この職員によると、小山さんは明るい性格で、同僚との助け合いを大切にしていた。現在は直接ミャンマーを担当していないが、古巣の同僚と廊下であいさつを交わす姿がよく見られたという。「本当にナイスガイだった。一緒に仕事がしたいと思わせる人だった」と、言葉を詰まらせた。

 小山さんは、外務省の採用案内にも登場していた。その中で小山さんは「(仕事は)多忙を極めていますが、ミャンマーが好きなので、モチベーションを維持することができます」と語り、妻とともにミャンマーの民族衣装を着ている写真を紹介した。

 外務省での仕事のやりがいは、「最前線で時代が大きく動く場面を目撃できる」ことだとも述べていた。紹介文の最後は、小山さんの夢で結ばれている。

 「日本がミャンマーを正しく理解できるようなイベントなど、両国の交流が進むアイデアを出していきたい」鬼原民幸

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