陛下が最後のおことば「国民に心から感謝」 退位の儀式
天皇陛下(明仁さま)は30日夕、皇居・宮殿松の間で退位の国事行為「退位礼正殿(せいでん)の儀」に臨み、「象徴としての私を受け入れ、支えてくれた国民に、心から感謝します」と在位中最後の「おことば」を述べた。
皇后さま、新天皇ご夫妻となる皇太子ご夫妻、皇族方のほか、閣僚らが参列。安倍晋三首相が「深い敬愛と感謝の念をいま一度新たにする次第であります」と国民代表の辞を述べたのに続き、陛下がおことばを述べた。
陛下は「今日をもち、天皇としての務めを終えることになりました」と切り出し、「これまでの天皇としての務めを、国民への深い信頼と敬愛をもって行い得たことは、幸せなことでした」と述懐。「明日から始まる新しい令和の時代が、平和で実り多くあることを、皇后と共に心から願い、ここに我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります」と結んだ。
陛下は85歳。高齢に伴い、2016年8月に退位の意向をにじませるビデオメッセージを公表し、17年6月、一代限りの退位を認める皇室典範の特例法が成立。この法律に基づき、陛下は30日をもって退位し、5月1日に皇太子さまが新天皇に即位する。1817年の光格天皇以来202年ぶりに、天皇の逝去によらない代替わりが実現する。
退位した陛下は「上皇」、皇后さまは「上皇后」となり、一切の公務から退く。当面は現在の皇居のお住まいで暮らし、東京都港区の仮住まい先へ移る準備を進める。皇太子妃だった雅子さまが新皇后、秋篠宮さまが皇太子待遇の「皇嗣(こうし)」となる。皇位継承資格者は上位順に53歳の秋篠宮さま、12歳の悠仁さま、83歳の常陸宮さまの3人となる…
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