ボーイングCEO、自社の正当性を強調 辞任も否定

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シカゴ=江渕崇
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 米航空機大手ボーイングのデニス・ミュイレンバーグ最高経営責任者(CEO)は29日、最新鋭小型機「737MAX」の墜落事故後初めて、対面での記者会見を米シカゴで開いた。二つの事故の原因として疑われている飛行システムについて、「リスクを断ち切る責任は私たちにある」と述べ、近く改修を終える見通しを示した。一方で、元の設計に問題があったとは認めず、辞任も否定した。

 会見に先立って開かれた株主総会は、事故犠牲者への黙禱(もくとう)で始まった。ミュイレンバーグ氏は問題のシステムの改修について、テスト飛行を終えるなど作業が進んでいると説明。同氏やニッキー・ヘイリー前米国連大使ら取締役候補者の全員が承認された。

 記者会見では事故の責任について質問が集中。ミュイレンバーグ氏は犠牲者に対し「遺憾」と表明しつつ、「複数のできごとが連鎖して事故が起きた」として、システム誤作動だけに事故原因を求めるべきではないと重ねて強調した。パイロットが非常時の手順に「完全には従っていなかった」とも述べ、パイロット側の問題も示唆した。3月にエチオピアで起きた事故の初期調査で同国当局は、パイロットは手順に従っていたとしている。

 飛行システムなどの設計自体に問題があったのではないかとの質問にミュイレンバーグ氏は、「一貫して安全な航空機を生み出してきた認証手続きを踏んだ」と反論。システム改修は安全性をさらに高める不断の取り組みの一環だとし、「改修が済めば最も安全な飛行機になる」と述べた。

 辞任するか問われると「安全性を高めることに集中する」と否定。会見は開始16分で打ち切られ、報道陣から「346人が亡くなったんだ。もっと質問に答えて」と声が上がった。

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 一方、エチオピア事故で犠牲…

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