ホロコーストの時代、インスタあれば…等身大の姿を再現
ホロコーストの時代、あの子がインスタをしていたならば――。少女の名前はエバ・ヘイマン。13歳のとき、アウシュビッツ強制収容所で殺された。エバが残した日記を元に、最期の日々がいま動画でインスタグラムによみがえる。イスラエルの親子が数億円を費やして自主制作した。
イスラエルでは5月1~2日、第2次世界大戦中に起きたホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の記念日を迎える。この日に向け、インスタグラム上に一つのアカウントが開設された。「@eva.stories(エバ・ストーリーズ)」。1日夕から2日昼にかけて、ここにエバの最期の日々を再現した動画が次々と投稿される。
企画したのはイスラエル人の親子。ハイテク分野の起業家として知られる富豪のマティ・コハビさん(55)と娘のマヤさん(27)だ。マティさんは親がホロコーストを経験した「生存者2世」にあたる。国民の間で当時の記憶が薄れつつあることを懸念し、プロジェクトを企画した。
どうすれば若者に記憶を引き継げるか。マヤさんが「インスタがいい」と発案した。昨夏、二人三脚での企画が始動した。
主人公に選んだのは、生前に日記を残していたエバという少女。「アンネの日記」と違い、エバは決して有名ではない。親が離婚し、孤独を抱えた一人っ子――。そんな等身大の存在が、今の若者に共感されるのではないかと考えた。
エバはハンガリーに生まれた…
【本日23:59まで!】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら