「辞めます」が言えなくて 退職代行、頼む人たちの事情

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沢木香織
【動画】「退職代行」サービスの運営者に話を聞いた=沢木香織撮影

 会社を辞めたいけど、辞めると言い出せない。そんな悩みに応えようと、本人の代わりに退職に関する連絡をする「退職代行」のサービスがあるという。

 「退職代行使う人ホントにいるんだー」「代行使ってでも退職したい状況ってどんな状況なんだろう」「辞める事も言えないってどういうことよ」。なぜ本人が自分で勤め先に伝えず、わざわざ代行業者に頼むのか、SNSには疑問の声もある。読者の疑問や困りごとを募って取材する朝日新聞「#ニュース4U」取材班の記者が当事者たちに会ってきた。

正社員なら5万円で代行

 そもそもどんなサービスなのか。退職代行サービスを手がける「EXIT」(東京都渋谷区)で、ともに代表取締役を務める新野(にいの)俊幸さん(29)と岡崎雄一郎さん(29)に話を聞いた。

 サービスの流れはこうだ。利用者はまず、LINEやメールで勤務先の連絡先と、退職したいことを伝えるべき勤務先の担当者名などを送る。利用者が正社員なら5万円、パート・アルバイトなら3万円の費用を振り込むと、同社が主に電話で、退職に関する連絡を代行する。

「辞めにくかった」経験から起業

 2人は小学校の同級生。過去に3社で退職を経験したという新野さんの「辞めにくかった」という経験が起業につながった。岡崎さんは米国の大学に留学し、帰国後は工事現場や新宿のキャバクラで働いた。新野さんのアイデアを聞き「ニーズがある」と感じたという。

 2017年8月に本格的にサービスを開始。これまでに2千件の依頼を受け、相談はその約3倍に上るという。

「退職代行」を頼む人たちには、どんな事情があったのか。「#ニュース4U」取材班が会いに行くと、悩みにある共通点がありました。弁護士以外の業者が代行を担うことに法的問題は無いのか、その是非も取材しました。

なぜ業者に?依頼した人は

 民法によると、あらかじめ雇用期間が定められていない場合、少なくとも2週間前までに勤務先に申し出れば退職はできる。なぜ業者に頼むのか。依頼をした人に話を聞いた。

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