介護後うつだった安藤和津さん 心染みた美輪さんの言葉

有料記事あの人の介護

松尾由紀
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 エッセイストでコメンテーターの安藤和津(かづ)さん(70)が、認知症の実母を自宅で世話した日々と、介護中から13年間苦しんだうつ病の経験をまとめた「“介護後”うつ」を出版した。「高齢化社会で、だれもが介護と向き合う可能性がある。でも、私のようなつらい経験をしてほしくない」

 母の荻野昌子(おぎのまさこ)さん(享年82)の言動に気になることが出始めたのは、安藤さんが40代後半のころ。安藤さんと、夫で俳優、映画監督の奥田瑛二さん(68)が住むマンションの別の階で暮らし、幼かった長女桃子さん(36)、次女サクラさん(32)を育てる際に手を差しのべてくれた。

 そんな昌子さんが、ささいなことで怒り、知人に失礼な物言いをするように。得意な料理でも、お弁当に腐ったものを入れるようになった。「口うるさいけど、明るく、情にもろい母。それが、まったく変わってしまった」

 昌子さんは重い脳腫瘍(しゅよう)を患っていると判明し、同居して介護し始めた。のちに、うつ病や認知症も発症していたとわかった。「母の変化が病気のせいと知って、心が救われた。でも、母に『死んでほしい』とまで思ってしまっていた自分を責めもした」

 罪悪感すら原動力とし、安藤…

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