BL漫画通し、世代間超えた不思議な友情 「メタモルフォーゼの縁側」(鶴谷香央理)

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松尾慈子
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 年若い漫画友達からメールが来たのは半年ほど前だったか。「これ、すごくいいから読んでみてください。無料なんですよ」。そういわれて読んでみると・・・不思議な書き出しの物語だった。主人公は夫の三回忌を迎えたおばあちゃん。1年半ぶりに書店に入れば以前と違う商品配列に戸惑う。そして、予備知識なしに買ってしまうのがボーイズラブ(BL)漫画!

 ある意味、突拍子もない始まりなのだが、人物の描き方にリアリティーがあるので、読む側は引き込まれてしまう。近年、お年寄りが主要人物となる漫画が多いけれど、ここに登場するおばあちゃん、市野井雪の「おばあちゃんらしさ」は一級品だ。御年75歳、自宅で書道教室を営む一人暮らし。通院は月2回。顔のシワ以外にも、ちゃんと「お年寄りの暮らし」のリアリティーがある。

 第1話の市野井の思い「ペットボトルって・・・飲みにくくない?」に私は大共感だ! 顔をぐいって上に向けられる人じゃないと、ペットボトルは飲みにくいのよ! 首が硬くて上を向きにくい私には分かるよ、市野井おばあちゃん!

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 表現の細部にも、お年寄りら…

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