(ナガサキノート)胎内被爆した聖職者、信仰とその半生

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真野啓太・27歳
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高見三明さん(1946年生まれ)【上】

 日本国内に40万人以上の信者がいるカトリックの教会組織の中で、東京、大阪、長崎にしかない「大司教区」の一つ、長崎大司教区で教区長を務め、今年で15年になる。

 カトリック長崎大司教の高見三明(たかみみつあき)さん(72)=長崎市=は、呼びかけることを絶やさない宗教者だ。いわく、「黙っていたら、黙認していると思われますから」。

 歩む道は、長崎の「痛みの歴史」の延長線上。先祖は江戸時代の初めにローマに渡った仙台藩のキリシタンだったが、日本に帰ったときにはすでにキリスト教が禁じられており、長崎に逃れて「潜伏キリシタン」となった。厳しい迫害をかいくぐりながら、脈々と信仰を受け継いできた、と伝わる。

 長崎の原爆では、母方の親族を亡くした。自身は母親のおなかの中にいた「胎内被爆者」でもある。戦後に生まれ、熱心な信徒だった父の導きもあり、聖職者の道へ進んだ。

 長崎の信仰と原爆と平和。高見さんのルーツと、その半生とともに、考えた。

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 高見さんのルーツをたどると…

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