心折れそう?「酷道」を記者が走る 迫る崖、最難所は

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井上裕一
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 「国道」と聞けば、きれいに整備された広い道が思い浮かぶ。ところが、「酷道(こくどう)」と揶揄(やゆ)される道があるという。道幅が狭くて険しい道を指すようだが、あまりに酷(ひど)い例えではないか。

 一体、どんな道なのか。インターネット上で指摘されている「日本三大酷道」の一つ、国道425号を走ってみた。

【動画】国道425号を走る

迫る崖、回り道も…

レンタカーのハンドルを手に「酷道」を走る記者。道幅が狭く、ガードレールのない崖際を恐る恐る進みます。

カーナビも「避ける」道

 「壮絶すぎる」「最凶」「心が折れそう」……。ネットで検索すると、こんな表現で例えられている。和歌山県御坊市三重県尾鷲市を結ぶ国道425号。「425」にかけた「シニゴー」との不吉な言葉まで出てきた。

 多少の不安を抱えながら、昨年12月上旬のある晴れた日、同僚のカメラマンとともに和歌山県御坊市を出発した。

 早速、レンタカーのカーナビで三重県尾鷲市を目的地に設定する。だが、ルート探索で国道425号が出てこない。地図上は、紀伊半島を横切るこの道が最短に見えるが、高速道路を使って北側を大きく回るルートか、南側を回って別の国道を走るルートしか示されない。カーナビは「酷道」を避けている。

 地図を見ながら、和歌山県御坊市内の国道42号から国道425号に入った。道路わきに川が流れ、田んぼが広がるのどかな風景。気持ちが休まる。道は片側1車線だが、きれいに舗装されている。車の通行量は減り、ゆったりとドライブを楽しむことができる。

 ところが、隣町の印南(いなみ)町に入ると間もなく、「落石注意」「大型車通行不能」といった看板が道路わきに現れた。次第に民家が少なくなり、ガソリンスタンド跡なども目に入ってきた。すれ違う車はほとんどない。徐々に不安が頭をもたげてきた。

冷や汗の「酷道」ドライブ

「酷道」をひた走る井上裕一記者と加藤諒カメラマン。このあと「死亡事故多発」の看板にヒヤヒヤしながら慎重に車を進めます。道中には思わぬ障害物も。

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■迂回を促す看板続々…

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