「アメとムチ」で少年をヤクザに 元組員が語る勧誘手口

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 全国の都道府県で最も多い、五つの指定暴力団が本拠を置く福岡県。彼らはどのように組織の維持、拡大を図っているのか。2年前まで県内の指定暴力団傘下の組幹部だった30代男性が、自身が体験した「ヤクザの勧誘」の手口を朝日新聞の取材に語った。

 少年を組織に誘い込む手口は、硬軟取り交ぜた「アメとムチ」だった。

 ヤクザが近づいてきたのは、高校1年の頃だ。幼稚園で万引きを覚えた自称「クソガキ」。音楽イベントを仕切り、50人近い手下を抱えていた。

 「ちょっと遊びに来い」

 放課後、主要駅前で仲間と騒いでいると、数人の組員に声をかけられた。向かった先は戸建ての組事務所。お茶が出され、幹部に紹介された。「こいつら今日から頑張ります」

 その時点で組に入ったつもりはなく、否定した。すると殴られ蹴られた。「うちの組に入ったら、こんなことにならんよ」。組員にはそう言われた。「入らんなら街から出て行け」と脅され、無理やり組に入れられた友人もいた。

 「アメ」はこうだ。

 「飯食いに行こう」と組員に…

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