【アーカイブ】(人生の贈りもの)元沖縄県知事・大田昌秀:8 強制手続きを拒否、学友への思い

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【2015年3月11日夕刊5面】

 ――知事になった5カ月後の1991年5月、米軍用地の契約を拒んだ地主の土地を強制的に使う手続きを、国に代わっておこなわなければならなくなります。拒否せず、応じたのはなぜでしょう。

 私は基地の縮小や基地反対を訴えて当選しました。しかし、政府と対立すると、沖縄振興開発特別措置法にもとづく振興計画がつくれなくなる。ジレンマに大変悩みました。

 東京都美濃部亮吉知事の特別秘書をした経験がある、岩波書店社長の安江良介さんに相談しました。彼は革新都政の運営で国と渡り合ったからです。安江さんには「知事になったばかりで、政府と対立してつまずくのは良くない。応じたとしても次の機会がある」とアドバイスされました。手続きを進めることについて、支持者の多くは「やむを得ない」と理解してくれましたが、一部の労働組合には「公約違反だ」と批判され、苦い思いをしました。

 ――95年9月には一転、手続きを拒否しました。その3週間前に起きた米兵による少女暴行事件がきっかけですか。

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