「家族のルーツ、南洋に」 女性の不思議な縁を訪ねて
編集委員・永井靖二 宮崎園子
「南洋に家族のルーツがある」。埼玉県川口市の介護職、横山妙さん(42)はそう聞かされてきた。
幼少時に日本人の養女となった母(66)の名はマルガリータ。生まれはサイパン島で、3歳までパラオ共和国にいたという。だが、それ以上は知らない。
10年前、横山さんはパラオに祖母を訪ねた。だが、母の出生の話は聞かせてもらえない。6人きょうだいの一番下の妹は4年前、ミクロネシア連邦チューク諸島におじを訪ね、パラオにいた「バレンティーノ・ハーパー」というスペイン人が祖父だと聞いた。何者で、なぜそこに居たのか。謎は深まるばかりだった。
横山さんの承諾を得て、サイ…
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