「歌舞伎に咲かすオカマ道」(小原篤のアニマゲ丼)

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 カミさんの友人(元同僚)に歌舞伎の大好きなDさんというアメリカ人女性がおりまして、私とも何度か会っており私の仕事がどのようなものかもよく存じてるその方が、東京・新橋演舞場で上演中の「スーパー歌舞伎II ワンピース」を見るから後で解説を聞かせてくれませんか、と言ってきまして、ちょうど私もチケットを買ってあったので見てきましたよワンピース。結論をまとめると、オッサンキャラの成りきり度がグー! 第3幕のマリンフォード頂上戦争はスケール感でもうひと頑張りほしいけど第2幕の大監獄インペルダウンは大盛り上がり! そしてボンちゃんはやっぱりどこでもいいヤツだった! というわけで、満足したのでした。

 歌舞伎化というニュースリリースを受け取った時は「さすがワンピ、2.5次元やるにも歌舞伎たぁ豪勢なもんだ!」と思いました。マンガには奇抜なスタイルのかぶき者がゾロゾロ、ケレンも見えきりも口上も義理人情も俠気(きょうき)も泣かせも「名こそ惜しけれ」の美学もあって歌舞伎にうってつけ。今回の舞台のクライマックスでもある大海賊「白ひげ」の死に様がまさに「弁慶の立ち往生」だとは、原作者・尾田栄一郎さん自ら認めているところ。問題は、「悪魔の実」の能力を舞台でどう視覚化するか、ちみつな段取りの上に展開される巨大なスケール感をどう演出するか。

 私などは、クライマックスが舞台映えしそうな「ヒルルクの桜」編を見てみたかった気がしますが、今回の演目は全編中スケールMAXの頂上戦争。一番おいしそうなところを逃す手はない、というところでしょうか。まずは、シャボンディ諸島で世界貴族・天竜人をぶん殴って大騒動を巻き起こしたルフィら麦わら海賊団が、世界各地に散り散りに飛ばされ、ルフィは女ケ島で当地を治める女海賊ボア・ハンコックの助けを得て、兄エースのとらわれている大監獄インペルダウンへ救出に向かいます。ここまで第1幕。

 この幕の見ものは「ゴム人間…

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