五郎丸の「師匠」ラグビーを語る

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 ワールドカップ(W杯)が開かれているラグビーの「生きる伝説」が、朝日新聞のインタビューに応じた。元イングランド代表のSOジョニー・ウィルキンソン氏(36)。2003年W杯決勝、地元豪州との延長戦で利き足と逆の右足で決めた決勝ドロップゴール(DG)は、ラグビー史に残る名場面として語り継がれる。178センチ、89キロ。国際レベルでは小柄な体で第一線で戦い続けた姿は、体格に恵まれない日本選手のよきお手本でもある。

 「今回のW杯では、二つの違う話があった。一つは(1次リーグ敗退という)悲しい結果となったイングランド。そして、想定外のところから届いたのが日本の話だ。南アフリカに偶然勝つことなんてできない。諦めず、一生懸命プレーした。南ア戦から5、6日の間が空けば、スコットランドにも勝てたかもしれない。1次リーグで3勝しながら準々決勝に進めなかったのは不運だが、どうか誇りに思ってほしい」

 英国ではサッカーのデービッド・ベッカムと並ぶ人気を博したアスリート。昨年5月31日、所属の仏1部トゥーロンをリーグ優勝に導き、ジャージーを脱いだ。引退後は月に1回、トゥーロンの技術コーチを務め、今回のW杯では解説者など様々な場面で大会の盛り上げに一役買っている。

 「ラグビーの魅力は、平等という点だ。体の大きさに関係なく、選手には様々な役割がある。03年に私が決勝DGを蹴った時の周りの動きを見てほしい。すべての選手が必ず『何か』で貢献していた。ラグビーとは、私にとって究極的に互いを尊重してつながりあうことなんだ。人生も一緒。自分ができるすべてをチームのために行う。だから、リスペクトが重要なんだ」

 英国民なら知らない人がいないほどの人気者だが、醸し出す雰囲気は実に柔らかい。「謙虚なジェントルマン」という表現がぴったりとはまる好人物だった。

 「若い時はもっと狂信的で…

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