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優勝争いの中心は星稜、広陵、大阪桐蔭か 第96回センバツ展望

2024年3月17日11時00分

朝日新聞DIGITAL

 第96回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)は18日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。開会式は午前9時からで、選手宣誓は青森山田の主将・橋場公祐が務める。開幕試合の八戸学院光星(青森)―関東第一(東京)を皮切りに、出場32校で13日間(休養日2日を含む)の戦いが始まる。決勝は30日の予定。

 ■神宮王者の星稜、投手力の広陵、大阪桐蔭…

 今春から反発性能を低くした新基準の金属製バットが導入される。大会前、選手、指導者らから一様に「打球が飛ばない」という感想が聞かれた。僅差(きんさ)でロースコアの展開が増えることが予想され、一つの四死球や失策が試合を大きく左右しそう。例年以上に、安定した投手力、守備力が上位進出の鍵となる。

 優勝争いの中心になりそうなのは星稜(石川)、広陵(広島)、大阪桐蔭の3校。

 昨秋の明治神宮大会を制した星稜は、秋9試合で4完投の左腕・佐宗翼が安定感抜群。1試合あたりの与四死球は1・62個と制球も良い。2年生右腕の道本想も緩急巧みな投球で安定している。

 打線は芦硲(あしさこ)晃太、萩原獅士(れお)、服部航の中軸に長打力がある。上位から下位まで足を使える選手も多く、試合展開に応じてエンドランや盗塁を絡めた多彩な攻撃ができるのも強みだ。神宮王者のおごりもなく、「秋勝っても、春に勝てる保証はない。挑戦者としてやりたい」と主将の芦硲は言い切る。

 広陵は昨年の春夏と甲子園を経験した高尾響―只石貫太のバッテリーが健在。1年春からエースの右腕・高尾は最速148キロ。昨秋は安定感に欠けただけに、この春の復調に期待だ。只石は4番としても秋12試合で打率3割9分、17打点と勝負強い。強打者の真鍋慧がいた昨年のチームほど打線に破壊力はないが、打率4割超の1番浜本遥大を中心につながりはある。

 大阪桐蔭は大会屈指の投手層で史上最多タイの5回目の優勝を狙う。エース平嶋桂知(かいち)、2年生の森陽樹はともに最速150キロ超。南陽人、中野大虎(だいと)を合わせ計4人の右腕がそろう。大会前の練習試合でも平嶋、森らの仕上がりは上々。昨秋の明治神宮大会で1試合で5失策と崩れた守備陣も立て直してきた。

 大阪桐蔭と同じゾーンには昨春準優勝の報徳学園(兵庫)、秋の関東を制した作新学院(栃木)、石見颯真ら強打者を擁する愛工大名電(愛知)など実力校がそろう。このゾーンからどこが勝ち上がるかも、大会の大きな見どころだ。

 投手力ではほかにも、東北王者の青森山田が関浩一郎と桜田朔、四国王者の高知は辻井翔大、平悠真、昨夏8強の八戸学院光星(青森)は洗平比呂らの左腕3本柱と、複数人で大会を乗り切る体制が整っている。

 捕手の箱山遥人、遊撃手の田中陽翔ら「チーム史上最強」とも言われるメンバーがそろった健大高崎(群馬)も優勝を狙える。前回大会優勝の山梨学院は9試合で5失策の堅守が魅力。2年生4人が一桁背番号を勝ち取ったチームで史上4校目の大会連覇を狙う。

 打球が飛ばない中でも豊川(愛知)のスラッガー、モイセエフ・ニキータや、昨夏の全国4強メンバーが多く残る神村学園(鹿児島)がどんな打撃を見せるか。史上最東端から初勝利を目指す別海(北海道)は右腕の堺暖貴、76年ぶり出場の田辺(和歌山)は秋2本塁打の山本陣世を軸に、21世紀枠からの勝利を目指す。(大坂尚子)

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