(EYE モニターの目)今月のテーマ:新年の連載について
■自分に小さな変化芽生えた
「8がけ社会」は読み応えがあった。働き手が減り始めるインパクトは相当大きい。人口減のニュースは負の側面が大きく報じられる印象があり、悲観的になりがちだった。だが、この連載は読み進むうちに、発想を変える視点や打開策に触れられたので、自分なりに「じゃあこうしてみたらどうか」などと思うようになり、自身の気持ちに小さな変化が芽生えた。個人的には「足るを知ること」が大事になると感じた。こういうシリーズを今後も増やしてほしい。(梅村純 55歳 千葉県)
■本質を探る試み、書籍化を
「資本主義NEXT 価値ある企業とは」は、「資本主義が変容していく中で会社の本質的価値は何か」を探る素晴らしい試みだと思う。各回のテーマは広くて深く、金融業界にいる私も引き込まれた。書籍化も望む。ただ、一つのテーマを1回で完結にせず、上下2回などに分量を増やしてほしかった。1回だと紙面の制約もあり、基本的な解説が少ない。また、多くの専門家や関係者の証言が並び、記事全体で言いたいことがやや整理されていない印象も受けた。(本多隆一 62歳 神奈川県)
■テーマ多彩、決めた理由は
新年の連載をデジタル版でまとめて読んだ。「8がけ社会」は2040年問題、「改革30年の果てに」は政治の問題、「天才観測」は秀でた人の分析……。他にも「資本主義NEXT」「私のスイッチ」「解なき今を照らすために」とたくさんあった。多くの連載が同時期に掲載されると、それぞれそのテーマに決めた理由や各連載の位置づけを知りたいと思った。初回に全何回なのか、どういう趣旨で始めるのかをもう少し詳しく書いてほしいと感じた。(小坂きみ子 64歳 東京都)
<社会よくするヒント、見つける取材に力>
元日に起きた能登地震の被災地には、いまも30人近くの記者が入り、取材を続けています。現地から伝えられる事実に、ときに言葉を失います。
今回の地震は、地域で進んでいた高齢化や人手不足の問題も浮き彫りにしました。元日から朝刊1面などで続けた「8がけ社会」も、今後加速する人口減少問題をテーマにした企画でした。「解決策は簡単には見つけられない。それでも糸口を探ってほしい。近い未来に必ず向き合わねばならない問題なのだから」。昨秋、部をまたぐチームのリーダー役にそう伝え、取材を始めてもらいました。「自身の気持ちに小さな変化が芽生えた」との感想をいただき、とてもうれしいです。
会社のあり方を多角的に考えた「資本主義NEXT」など、ほかの連載も編集局の各部が議論を重ねて仕上げてくれたものです。
社会を少しでもよくしていくためにどうすればいいか。そのヒントを見つけるための取材に、今年も力を注いでいきます。
(ゼネラルエディター兼東京本社編集局長・野村周)
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◇東京本社発行の朝刊、夕刊の最終版をもとにしています。
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